光と風と時の部屋

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学習&ホラー小説「歴史教師と時空の落とし穴」11

「歴史教師と時空の落とし穴」11

「きゃあ!な、な、何!何が起こったの??は!もしかして、貴方は!大塩……。」
「俺は、大塩平八郎さ!別嬪さんだな!これから面白いぜ!いつもは陽明学が大好きさ!だがな、今から俺が起こす、この反乱は学問以上に面白くて凄いんだぜ!ふっふっ!」
大塩平八郎さん!あ!分かったわ!…『大塩平八郎の乱』…だわ。一八三七年。江戸時代ね。でも、何がどうなってるのかしら?ここはどこ?」
(「大塩の乱」とも言うわね。一六三六年から約一年間に渡って起きた、「島原の乱」以来、二百年ぶりの合戦であったそうな。いつも、学校のテストには必ずと言って良い程出る歴史問題だったわね。相当大きな合戦だったのだわ。でも、どうして急に…?時空転移…?だとしてもその割には、変な場所だし。私と大塩様以外は、何も見えない。どうなってるの?かしら?)
 真っ暗な、この暗闇の空間の中にいるのは、暦と、刀を振り上げた大塩平八郎と言う男だけだ。
「ふっ。誰にでも堪忍袋と言うものがあるわな。御嬢さんよ、あんたもそう思うであろう。農民が如何に苦しんでおるかを、実力行使で分からせてやるのじゃ。さて、参る!」
 大塩平八郎は、暗闇の中に消え入るように姿を消した。
(いやあ待って!……私は、どうなるの……はっ!)
 また新しい人物が、暦の目の前に姿を現した。しかし、周囲は真っ暗闇のままなのだ。
「だ、誰?何方(どなた)ですか?(あ、あの人、何か変な物持ってる……?エ?エレキテル!?そうよ!間違い無いわ!横にある大きな機械。手に持ってるあれは、エレキテルの電線だわ!静電気発生器だったわね。と言う事は……平賀源内(ひらがげんない)様!江戸時代の博物学者、平賀源内様ね!!うひゃあ。次々と会えるのは嬉しいんだけど、でも、嬉しいような恐いような…………。)」
「ふうぅぅ。漸く、修理して復元出来たぜ。私の、エレキテル。やれやれだな、」
と源内。間違い無く平賀源内だ。一七七六年頃、エレキテルを復元したのは確かに彼である。
 でもここがどこやら分からない暦は、大凡(おおよそ)ビクビクするばかりだ。
 源内は、こちらに向かって迫って来る。電線を手に持ったまま…………。そして大声で暦に向かってこう言ったのだ。
「へい、そこの彼女。一緒に、新しい刺激体験しない?このエレキテルでな。」
「いやあ、やめて下さい。やめて下さいませ。源内様。あ、あ、危のう御座いますぅぅ。(危ないのかしら?殆ど静電気だから、大丈夫かしらね。あ、でも、ストッキング穿いてるし。静電気だって、急に弾けたら痛いもの…………。電圧だって増すかも。それに、これって本当の源内様なの?こんな俗っぽい人だとは思えないんだけど?やっぱり、くたくたに疲れた私の頭が、勝手に創り出しているだけじゃ…………それにしても、恐い。例え自分の創った人物だとしても……。)」
 もし強い電気に感電してしまったらと思うと震えるし、脚にエレキテルを突き付けられたら、あっと言う間に伝線して、ナイロン製の薄手ストッキングなんて、燃えてボロボロに破けてしまう、だからそれも嫌なのだ。
「恐かねえよ、大丈夫さ。へっへっへっ。」
 源内はどんどん迫って来る。暦は、足が竦んで、逃げるに逃げられない。そもそも、どこへどう逃げたら良いのかさえ、分からないのだ。
「有難う、御気持ちだけでも嬉しいです。なので……。」
「ん?何だい?どうしたのかいな?御嬢さん?」
「あ、あ、あのう……………この私からも、……新しい刺激体験、…どうですかああぁぁぁぁぁ!!ええいぃぃっっ!!」
「うぐわっ!何だか、す…す……酸(す)いなあぁぁ…。嗚呼(ああ)嗚呼アアァァ……ァァ……。」
暦は、一か八かで、脱いだパンプスを源内の鼻と口元に思いっ切り押し当てた。源内はエレキテルを掴んだまま、後ろに倒れた。
「これでどうですか?んん?」
暦は更に、蒸れたらしい(例え夢の中でも、足は蒸れるのか。そのようだ。)ストッキングを履いたままの足裏を、源内の鼻に押し付けた。
「女性に向かってこんな嫌らしい事をしては駄目ですよ。ねえ源内様。はい。恥ずかしいけど、御返しよ。『目には目、歯には歯。』ですものね。でもこれじゃ、目には歯、歯には目みたいになるかも知れませんけど。うふふ。貴方、本当は紳士なんでしょう。目を覚まして。御願いね。電気は人に向けちゃ駄目。」
 暦は、やけに怒っている様子だ。疲れている時に突然あんな事されそうになったのだから。
「すみませんでした…もうしません…淑女に対し、このような粗相を、申し訳ありません…でした…。」
「はい。宜しい。もういいわ。許してあげる。」
 にっこり微笑んでこう言うと、暦は急いでパンプスを履き直す。靴は失くせば困るからでもあった。
 その時、顔が真っ赤にしたまま嬉しそうな表情の源内の姿は、また闇へと消えた。
(源内様の生涯って確か、…そう、獄死だったわね…。一七七九年の夏には橋本町の邸へ移るんだけど、大名屋敷の修理を請け負った際に、その時は酔っていて、修理計画書を盗まれたと勘違いして二人を殺傷してしまったそうね。それで十一月二十一日に投獄され、十二月十八日に牢屋の中でお亡くなりに……嗚呼、源内様。幾ら自業自得と言えど、やっぱり可哀想。でも私には助けられないみたい。折角時を駆けてると言うのに、信長様に続いて、またも見殺しなのね。嗚呼、悲しい事、見苦しい事、極まりないわ。まあ楽しかったところもあったけど……でも、勝手に未来を変えるのは、やっぱり無理なのかしら。はぁ。可哀想。源内様。きっといつかは天国へ行けるから、元気でね……………私、忘れないから……歴史教師だし、それも当然だけど…。)
 そしてその時、人の形をした光がまた忽然と現れる。
 (今度は何?それにしても私、いつになったら元の世界に帰れるのかしら?あらあら、御座(ござ)と湯飲みの御茶??緑茶、ううん。抹茶かしら?きゃっ、誰??)
「ふう、落ち着くわい。御茶と御菓子がうまいのう。和みの一時(ひととき)じゃぁぁ。侘び茶、ええのう。わしが長年努力を重ねた甲斐があったもんじゃて。」
「もしかして…………!?」
「お!別嬪な御嬢さんじゃな!どうじゃ、ふぉっふぉっふぉっふぉっ…………。御茶と御菓子はどうじゃ?うまくて落ち着くぞい。まあここへ座りなさいな。ほれ、ワシの横へ。靴なんて脱ぎなさいよ。」
「あの…私………。」
「なんじゃ?そんなに躊躇(ためら)わんでもええじゃろ。早く来なされ。姉ちゃん。」
「(姉ちゃん??)あの、貴方様はもしかして、…………千利休(せんのりきゅう)様…………ですか!?」
「おお、よく私の名を知っておるな。はて、どこかで会ったかの?」
「いえあの……。(生(なま)で会ったのは勿論これが初めてよ。きっと。でも参考書や資料集、教科書越(ご)しには何度も対面してる。でも本当の事は言える筈無いし、言っても分からないでしょうね。きっとそう。うん。だから言わない。それがいいわ。)」
 千利休とは、中世末期、戦国時代、安土桃山時代の茶人(ちゃじん)である。何のも削るとことが無い所まで無駄を省いて、緊張感を創り出すと言う「侘び茶(草案の茶)」完成者として知られる。茶(ちゃ)聖(せい)とも称せられる。
「ほっほっほっほっ。まあ細かい事は良いわ。なあ姉ちゃんや。いや御嬢ちゃん……へい!彼女ぉぉ!わしと一緒に御茶せんかえ?!!」
「ひゃああ、やっぱり口調が変!それに、千利休様がこんなに熱い御人だなんて信じられない!もっと温和で硬派な方かと思ってましたのに!千利休がこんなに様軟派なのは、やっぱり信じたくない!そう!これは!これは!」
「んんん?どうしたんじゃ?何をそんなに慌てておる?おぬしは見掛けによらんのう。そんなに興奮せんでもええじゃろうて。ええ??」
千利休は、御座ごと移動してこちらへ向かって来る。まるで魔法の絨毯に乗って空を飛行するアラジンのように。つまり、これは迫って来ると言うのだろう。
「やっぱり可笑しいわよ。ここは、やっぱり…ゆゆ…夢の…夢の…夢の中なのよおおおおおおおおおお!!」
 暦が甲高い声で叫んだその時、四方八方全体が、眩く光り輝いた。
 当分の間、暦は気付く由(よし)も無かった。以上の出来事は、矢張り単なる夢の中の世界であった事を。いや、もしかしたら、夢のそのまた夢かも知れないのだ……………………。
(これで出られるの………かしら……………?でもどこへ?)

「そちよ!そちよ!」

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