光と風と時の部屋

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「歴史教師と時空の落とし穴」6

「歴史教師と時空の落とし穴」6

一八五三年、ペリー来航、一八五四年、ペリーが再来し、日米和親条約が締結される。
 一八五六年、初代駐日総領事ハリスが下田に来日。日米修好通商条約が結ばれる。オランダ、ロシア、イギリス、フランスとも結ばれ、安政の五カ条上役とも言う。
 一八五八~五九年、井伊直弼は通商条約に反対する尊攘派を弾圧。橋本左内吉田松陰らが処刑された。これを安政の大獄と言う。一八六○年、水戸の浪士らが井伊を殺害(桜田門外の変)。
とまあこんなもんである。以上。

 道を歩いていると、暦はうっかり、犬の尾を踏んでしまった。犬は怒って足首に噛み付いて来た為、反射的に犬を思い切り蹴飛ばしてしまった。その時だ。
「犬虐待だあ!ひっ捕らえよ!御用だ、御用だーーっっ!!」
向こうから役人が走って追い掛けて来る。
「しまったわ!!」
 そしてまだ幸いにも、次元の裂け目に吸い込まれた。また時空間なのだろう、と暦は思った。暦が消えると、その裂け目も閉じて無くなる。
 このような時空間に吸い込まれると、何処に飛ばされるか分からないと言うのは、恐いものだ。しかし、どう考えても、順々に過去に飛ばされている。このまま縄文時代まで遡って行ってしまうのだろうか。そして最後はどうなるのだろうか?

 ここは、荒野みたいだが、何処なのだろうか?
 東からは馬に乗った赤組の武士が、西からは馬に乗った青組の武士が、無数に押し寄せて来る。
「うおらあああああ!」
「とりゃあああああ!」
速攻で、矢や火の子が飛んで来た。何と、自分は戦地のど真ん中にいると暦には一瞬で分かったのだった。
「きゃああ!助けてええ!」
これは、恐らく、一六○○年の、関ヶ原の戦いだろうと暦は思った。暦の顔面に矢が当たろうとしたその矢先、暦はふっと消えてまたワープする。

 ここは。何処だろうか?むむ!やけに暑い所だ。むむむ!御寺が火事?
切腹!無念……………………。」
「キャアアア!」
目の前には刀で切腹した織田信長氏が。鮮血が飛び散り、暦の上着に少し掛かり、パンストを穿いた暦の脚には結構多く掛かった。そう、これはどう見ても信長だった。
ここは、一八五二年の、本能寺の内部だと暦にはすぐに分かった。「本能寺の変」だ。明智光秀の謀反によるものだ。天目山の戦いで、武田信玄氏は倒されたが…………。
「冥福を祈ります。織田信長さん…………。」
暦は、両手の皺と皺を合わせ、祈りを捧げた。
 リアルで本能寺の変が見られるなんて、……でもあまりにも惨いわね。改めて感じちゃった、と暦は思った。
「ああ、余りにも可哀想、信長様…………。天国へ行っても元気で過ごして下さいね。」
これで本当に天国とか言う所に行けたなら、永遠に元気でいられるのは当たり前だな、と暦は思う。
「このままだと御気の毒過ぎて仕方無いわ。そうだ。そろそろパンスト穿き換えようかしら。常備のが一足あったわね。それに、これはもう蒸れちゃってるし、よく見ると伝線してるし、血で汚れちゃったしね。もういらないわね。」
こう言って暦は穿いていた古いベージュのパンストを脱いだ。相当蒸れて伝線までして、オマケに血も付いてしまったのだから。
「ワープしてしまう前に、信長さんにプレゼント。はい、私のストッキングどうぞ。それと、良かったら私の足の匂いも。私が、まだ若くて美人で良かったかなあ、自分で言うと何だけど。」
暦は、自分の素足の足指を信長の鼻の穴周辺に擦り付けるようにして撫でる。AV用語で言う足責め、匂い責めと言うやつだ。本当に信長がこれで喜ぶ筈はないとしても、あくまで御供えなのだと思った。あ飴玉も一つ持っていたので、飴玉もポンと口の中に入れてあげた。脱いだパンストのつま先部分を、遺体となった信長の鼻に宛(あて)がうようにして、パンストを捧げて信長の亡骸の上にそっと乗せた。
 そして暦は、新しいサブリナ・ノンランと言うベージュのパンストを取り出して、汗だくのまま床に座って穿き始める。
「最後に………Cカップ程度だけど、私の胸枕、良かったらどうかしら。喜んで貰えたら私も嬉しいわ。ふふ……ふうう……。」
暦は涙ぐみつつも涼しく微笑み、信長の頭を胸に当てながら両手で抱いてあげたのだった。
「私もこのままここで焼け死んでしまうのかしら?でも、信長様が一緒なら、私……。」
先程までは家康様とか言っていたのに、次は信長様などと、まるでこんな自分は、「時を駆ける男たらしの尼」とでも言うものかと思いつつ苦笑した。
 暦は、徳川家康の次に、織田信長が好きだった。一五三六年の「塵芥集」の伊達政宗もその次ぐらいに好きだったので、独眼竜正宗と言うファミコンゲームも持っていた。とても面白いシミュレーションゲームだった。
 剣豪で好きだったのは、佐々木小次郎と、宮本武蔵と、柳生十兵衛のこの三人だった。吉川英治全集を集めて読んでいるのだ。
 部屋中に火が回って危機一髪のところを、暦は突如現れた時空間によって掬われ、そして救われた。またワープして行くのだろう。
 一五七五年には流しの合戦があり、鉄砲隊が威力を発揮し、武田勝頼が破られる。一五七六年には安土城が完成した。
 一五八八年には豊臣秀吉によって刀狩令(かたながりれい)、一五九一年には人掃令(ひとばらいれい)(身分(みぶん)統制令(とうせいれい))が発布された。人掃令は、身分の固定化を図る為だった。明(みん)を征服しようとした秀吉は、一五九二年、加藤清正小西行長ら訳十六万の軍を朝鮮に派兵した。それは文禄の役、一五九七年には再度出兵する慶長の役があった。

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