西欧とかでも、所謂「貴族」と言う出の人達が、必ずしも生涯ずっと恵まれているとは限らないものだろうか?
やはり、そうとは限らない。
例えばイギリスでは家柄があれば貴族(上流階級)になるが、それがイコール金持ちとは限らないとの事だ。
今の時代は自由主義、恵まれた生活(金持ち)を送るには実力が求められる。
ただし貧困層出身が裸一貫から成り上がっても貴族にはなれないように階級の固定がされている為、貧困層に産まれるよりは良い人生になりそうとも言われるが・・・。
イギリスの場合は、
先祖代々の財産を守るためには、かなりの財力が必要なようだ。
その為、幼い頃から高い教育を受けて良い企業で上級の役職を務める事が求められるので、プレッシャーも強い。
ただし、一般庶民から見ると、同じ罪を犯しても優遇されてるように見えたり、家柄で名門企業に採用されたり…元々違うと感じをさせられる事はあるみたいで、イギリスの映画等を見ていると、そう言うブラックな部分を扱ったものもある。
一方で、経済力が衰えて代々の領地を手放したり、管理が出来なくなって手放す場合もある。
その土地が商業開発される事を防ぐ為に設立されたのがナショナル・トラストだ。
イギリスらしい歴史的建造物や自然等を残す為の保護運動になり、現在は世界各地に広がっている。
また「一代限り、本人のみ」と言う条件で、庶民出身でも"Sir"と言う称号を与えられる事はある。
格別な活躍をしたり、国に貢献した人々に与えられるようだ。
上流階級の集まりに招待されたり、国中から(他国の上流社会でも)、尊敬される存在になる。
ウィンブルドン等を観ていると、称号を頂いた有名人が貴賓席に来ているのを紹介している。
どこの国だったか覚えていないが、一般庶民となった貴族の末裔が、今では人手にわたった先祖のお城を管理する仕事に就いていたりする。
人手に渡ったと言っても文化財団などに寄付してるようではあるが。
歴史的建造物の維持管理には、それなりの知識と教養が必要であり、それを備えている人物として評価されている方なのだろう。
自力で城を守るのは大変なので、給与を得ながらやっていく為の現代的なやり方なのだろう。
城は一部が一般公開されたり、ホテルになっていて、収入源となるらしい。
家督を継いで財産を相続する跡取りの嫡男は余程の理由が無ければ生涯安泰と言う事だそうだ。
次男以下の兄弟姉妹〜子孫『貴族の子孫』は飽くまで貴族の親戚に過ぎない平民の身分実家を出て独立した後は本人次第の人生である。
次男については『分家』待遇となり
『御当主の補欠』として丁重に扱われるが、三男以下や庶子の面倒まで見切れない…と言う事もある。
大名〜領主の子弟は、実家に家臣として就職する事も多い。
勿論、本人の希望で職業選択の自由がある。
特に三男以下や庶子は割と放ったらかしの為、庶民的な職業に就くこともある。
親としても家督を継げない息子や娘は、実家を出て独立してもらう…嫁がせる以外に役に立たないとなり得る。
『ゲーム・オブ・スローンズ』は割とリアルだ。
北部総督スターク公爵家では嫡男ロブ、次男ブラン、長女サンサは親も教育熱心で家臣たちも重要視しているが、次女アリア、末子リコン、庶子ジョン・スノウ。
割と放ったらかしで自由奔放な印象だ。
特にキャトリン夫人は明らかにロブとブランを依怙贔屓している。
自分が産んだ息子ではないジョン・スノウにとても冷たい態度である。
実際の貴族社会でも嫡男と次男は特別なので他の兄弟姉妹とは差別される。
親の愛情とかではなく重要性の違いである。
結局、ジョン・スノウは叔父さんに誘われて国境警備隊な組織ナイツウォッチに入隊して居心地の悪い実家を出た。
フランスは共和国なので、貴族はいない。
今でも貴族の称号を名乗ってる人は、祖先が封建時代に貴族だった、と言うだけで、本当は今はただの共和国国民との事だ。
ただ、祖先が貴族だった、と言うことは、文盲の貧乏な平民の沢山居た時代に、既に高い教育を受けたり、お金持ちだったり、有力者の親戚や知り合いが居たりした可能性がある、と言う事だ。
つまり、その時代に他の多くの人たちよりもかなり有利な状態でいた、と言う事だ。
それでも共和制になって貴族の特権かなくなると、途端にたちまち貧乏貴族になった人たちは多かったが、中には商才があったり、とりわけ当主が有力な後ろ盾を持った家庭のお嬢さんと結婚したり、色々とうまく世の中を生き抜いて、今でもきちんとお金持ちのままでいる貴族の末裔も居る。
でもそう言う人たちは、先祖から受け継いだお金をきちんと運用して増やすことを知っている、投資家だったり、企業家だったりするのが普通なので、単に「元貴族」というだけでは、何の役にも立たないとの事だ。
名前だけは立派でも、そんな名前を受け継いてしまったのが気の毒になる程に零落した人に会った事もある人も居るとの事だ。
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